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食品添加物ってなに?基本とうまく付き合うコツ

食品添加物

スーパーで棚を眺めていると、原材料表示の前で手が止まること、ありますよね。

「できれば添加物は控えたいけれど、全部を避けるのは難しい」
「調べるほど、どこまで気にすればいいのかわからなくなる」

わたしもずっと同じでした。知識を追いかけるほど安心どころか、かえって判断しづらくなる。“気にしすぎても疲れるし、気にしなさすぎるのも落ち着かない”という状態が続いていたのです。だからこそ、食品添加物とは距離のとり方がむずかしい存在なんだと思っています。

とはいえ、添加物を理解するのに専門的な知識は必要ありません。

「なぜ使われているのか」
「どんな目的を持っているのか」

この2つを押さえておくだけで、食品を選ぶときの迷いはぐっと減るでしょう。

この記事では、食品添加物の基本と、日々の買い物で迷わず選べるようになるためのコツを少しだけお伝えします。難しい話ではなく、店主として日々感じていることをそっと置いていきますね。

目次

食品添加物とは?

食品添加物とは、食品をつくるときや保存するときに加えられるものの総称です。

「人工的なもの」だけをイメージしがちですが、実際には寒天・ゼラチン・乳酸菌・酵母エキスのように、昔から台所にあったものも含まれます。食品を加工したり、同じ品質で安定して届けたりするために使われるもので、すべてが特別な化学物質というわけではありません。

難しく考える必要はなく、食品だけでは補いきれない部分を支えるもの。これくらいの理解で十分です。

食品添加物が使われる背景

食品というのは、とにかく変化しやすい存在です。

肉や魚は微生物が増えればすぐに痛み、油は空気に触れただけで酸化し、野菜や果物は切った瞬間から色が変わります。水と油は自然には混ざらず、農産物は季節によって風味や水分量が変わります。

どれも自然な現象ですが、このままでは遠くに運ぶ・一定期間保存する・品質をそろえるといった、現代の食品づくりの条件を満たすことが難しくなります。

特に店頭では、見た目の印象が大きく影響します。色がくすんだだけで「鮮度が落ちているのでは?」と誤解され、選ばれにくくなってしまうのです。

そうした“食品の弱点”をどこで補うのか。その答えのひとつに、食品添加物が使われてきました。

食品添加物の主な5つの役割

食品の性質に合わせて、使われ方は少しずつ違います。ざっくりわけると、この5つ。

1. 劣化をゆるやかにする

肉や魚は微生物が増えると急速に劣化します。油は酸化し、風味が落ちやすくなります。こうした変化を抑えるために、保存料や酸化防止剤が使われます。

「長持ちさせるため」というより、急な劣化を防ぎ、食品として成り立つ時間を確保するという感覚が近いです。

2. 見た目の変化を抑える

肉や野菜は、空気や温度の影響で色が変わります。この変化そのものは自然な現象ですが、店頭では、見た目が変わるだけで「品質が落ちているのでは?」と判断され、手に取られにくくなる場面があります。

こうした見た目で誤解されやすい状態を避けるため、着色料・発色剤・漂白剤などが色の変化を遅らせ、選ばれやすい状態を保つ目的で使われます。

3. 味や香りを揃える

農産物や発酵食品は、季節や原材料の状態によって味にばらつきが生まれます。調味料(アミノ酸等)・甘味料・香料は、毎回同じような味に近づけるために使われます。

大量に生産するとき、「昨日と今日で味が大きく違う」は避けなければなりません。その調整を担うのがこの役割です。

4. 食感と状態を保つ

プリンのなめらかさやドレッシングの均一さなど、自然のままでは保ちにくい部分を支えるのが増粘剤・ゲル化剤・乳化剤です。

水と油のように本来混ざり合わないものを均一にするには、こうした技術が必要になります。

5. 製造を安定させる

食品を大量に、同じ品質で作るには、温度・pH・水分量などを安定させる必要があります。pH調整剤・酸味料・加工でん粉などは、製造過程で食品が扱いやすい状態を保つための補助として使われます。おいしさを直接つくるものではなく、品質をそろえるための裏方的な役割といえます。

店主の正直な気持ちを少し

日本では1500種類以上の食品添加物が認められています。ひとつひとつの安全性が確認されていることは、食品づくりの努力として尊重しています。

ただ、わたしとしてはどうしても気になることがあります。

それは、「複数の添加物が重なったときの影響」については、分野によってはまだ研究途上の部分もある、という点です。

加工食品は、一つだけで食べるわけではありません。朝・昼・晩といろんな食品を重ね、子どもはおやつも食べる。そのたびに、添加物も組み合わさります。すべての組み合わせについて、長期的な影響が細かく検証されているわけではありません。

だからこそわたしは、「毎日食べるものだけは、できるだけシンプルにしておこう」そのくらいの姿勢が、いちばん現実的で無理がないと感じています。

外食やイベント食まで気にする必要はありません。“積み重なりやすい食品”だけ、少し丁寧に選んでみる。それだけで暮らしが変わる場面を、わたしは何度も見てきました。

食品添加物とうまく付き合うために

食品を選ぶときに迷うのは、「正解がひとつではない」からだと思います。忙しい日もあれば、手をかけられる日もある。家族の好みも変わる。体調も変わる。

ここでは、無理をしない範囲で食品を選びやすくするための、ちょっとしたコツをお伝えします。

毎日食べるものほどシンプルに選ぶ

食品添加物の影響は、量よりも「どれくらいの頻度で食べるか」 に左右されます。

  • 牛乳
  • パン
  • 調味料
  • ハムなどの加工肉
  • 子どものおやつ

こうした生活のベースになる食品は、積み重なる回数が圧倒的に多いため、添加物が少ないほうが体感として差が出やすいと言われています。

逆に、外食やお祭り、揚げ物などのイベント食は頻度が低いので、必要以上に気にしなくて大丈夫。毎日口に入るものほど、シンプルにすると、暮らし全体が自然と整います。

食品に“何を求めるのか”をはっきりさせる

同じ食品でも、求めるものが違えば選び方も変わります。

・素材の味を楽しみたい

原材料が少なく、添加物が最小限のものが向いています。素材本来の香りや甘みは、余分な調整がないほうが感じやすいです。

・時短・保存性を優先したい

保存料・酸化防止剤などが“合理的に役立っているケース”もあります。忙しい家庭にとっては食品ロスが減る=生活が整うというメリットも。

・コスパを重視したい

味や食感を安定させるための添加物が、価格を抑える助けになることもあります。

つまり、「悪いか・良いか」ではなく、「自分の目的に合っているか」で判断するほうが現実的。その視点を持つだけで、食品選びのストレスが大きく減ります。

添加物の数ではなく「使われる理由」を見る

「添加物の数が多いからNG」という単純な話ではありません。

  • ハムに発色剤が入るのは、色が悪いと「傷んだ」と誤解されるため
  • 揚げたお菓子に酸化防止剤が入るのは、油が傷むと有害成分が増えやすいため
  • ドレッシングに乳化剤が使われるのは、水と油が分離しやすいため

食品の特性を補うために使われるケースは非常に多いですが、それが自分の価値観に合うかどうかは別の話です。でも、「なぜ入っているのか」がわかると必要以上に怖がらずにすみます。

原材料欄の上から3つだけで全体が見える

原材料欄は使われている量が多い順に書かれます。つまり、最初の3つを読むだけで、その食品の素性がほぼ見えます。

例:菓子パン
小麦粉、砂糖、植物油脂・・・ここで食品の中心が見える
そのあとに添加物が続くのは、調整のために少量入るから自然なことです。

例:加工肉
豚肉、水あめ、植物性たん白・・・ここが土台となります
そのうえで保存や色のための添加物が少量加わります。

すべてを読む必要はなく、最初の数行を見るだけで、選ぶ基準が整理されます。

家庭ごとに「ゆるいルール」をつくる

食品選びに正解はありません。ライフスタイル、家族構成、体質、価値観によって、納得のいく基準は変わります。厳しすぎるルールは、ストレスになって続きません。おすすめなのは、家庭の実情に合った、ゆるい判断基準をつくることです。

  • 子どもが毎日食べるものだけ気をつける
  • 調味料はシンプルなものを選ぶ
  • 忙しい日は迷わず便利食品に頼る
  • ハム・ウインナーは週に2回まで
  • おやつは「主原料が何か」で選ぶ

こうしたゆるい基準は、負担がないのに、生活全体のバランスを整えてくれます。食品選びは毎日のことだからこそ、心がすり減らないルールが役に立ちますね。どれも間違いではなく、“続けられる基準”こそが、あなたにとっての正解 です。

おわりに

食品添加物は、「不安か安心か」のどちらかに振り切って考えるものではありません。食品が本来もつ性質、時間とともに変化しやすい、ばらつきが生まれやすい。その性質を補い、食品が成り立つよう調整するためのひとつの技術 です。

もちろん、家庭や価値観によって大切にしたい基準は違います。「毎日は控えたいもの」「忙しい日は気にしないもの」その線引きは、暮らしのリズムによって変わっていきます。

大切なのは、“知らないままなんとなく選ぶ”から一歩抜け出すこと。表示を少し読めるようになるだけで、「これは今のわが家に合っている」と自分で判断できる場面が増えていきます。

食品添加物を理解することは、怖がらないためでも、むやみに肯定するためでもなく、自分の暮らしを自分で選べるようになるための知識です。

あなたの生活に合った、ちょうどいい距離感が見つかりますように。

店主より

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